乾癬性関節炎の診断

乾癬性関節炎の診断

痛みを伴う病気は多く、乾癬性関節炎かどうかを診断するには、他の病気との違いをしっかり見分ける必要があります。そのため、診断は問診に加えて、血液検査や画像検査[レントゲン(X線)検査、MRI、超音波検査]などの結果を総合的に判断して行われます。

乾癬性関節炎の診療の流れ

乾癬性関節炎の診察から診断までの流れを示す図。問診や血液・画像検査、皮膚や爪の所見をもとに、他疾患を除外しつつ重症度や病型を評価して診断に至る。
日本皮膚科学会ガイドライン:乾癬性関節炎診療ガイドライン2019,日皮会誌,129,13:p2695(2019)より作成

乾癬性関節炎は、はっきりとした原因が明らかになっておらず、症状も関節の痛みや腫れだけでなく、爪の症状など、人によってさまざまです。このような背景から、一つの基準だけで診断することは難しく、明確な診断基準はありません。
なお、臨床研究のために作られた「CASPAR分類」が診断の参考として用いられます。

CASPAR分類

乾癬性関節炎を診断する際に、参考として使用されるものが「CASPAR分類」です。
関節、背骨、筋肉や腱が骨に付いている部分(付着部)に腫れや痛み(炎症)があり、下記の合計点数が3点以上の場合、乾癬性関節炎と分類されます。なお、診断については医療機関へご相談ください。

CASPAR分類基準

乾癬性関節炎の診断時に参考とする指標の一つ、「CASPAR分類」を示す図。炎症性骨格系疾患がある事を前提に、乾癬の有無や家族歴、爪の変化、リウマチ因子の陰性、指趾炎、画像所見など5項目中3点以上で診断とされる。
※:診断については医療機関へご相談ください。
CASPAR: ClASsification of Psoriatic Arthritis
Taylor W, et al.: Arthritis Rheum, 54, 8: 2665-2673 (2006) より作図
ページトップへ