日常生活で
気を付けること
日常生活で気を付けること
乾癬性関節炎の患者さんは、肥満やメタボリックシンドロームを合併していることが多いと言われています1)。生活習慣の改善だけではなく病気の活動性を抑えるためにも、食生活に気を付けたり適度な運動を取り入れてみましょう。
運動については、関節への負荷を考えて、例えばランニングよりも、ヨガや水泳などがお勧めです。関節を動かせる範囲(可動域)、筋力、心肺機能の維持を目的に運動を行うことで、身体機能の向上や日常生活での動作がスムーズになることが期待できます2)。
1) 日本リウマチ学会:乾癬性関節炎(PsA) (https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/kansenseikansetsuen/)(2025年7月1日アクセス)
2) 日本皮膚科学会ガイドライン:乾癬性関節炎診療ガイドライン2019,日皮会誌,129,13:p2727(2019)
合併症
乾癬は、慢性的に全身に炎症が起こる病気であり、乾癬性関節炎の患者さんでは、メタボリックシンドローム、ぶどう膜炎 、炎症性腸疾患、糖尿病、心臓や血管の病気などを合併することが知られています1)。
国内の乾癬性関節炎患者463例を対象とした調査で、併存症として頻度の高い順に、高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、高尿酸血症・痛風などがみられたことが報告されています(下図)2)。
そもそも、肥満は乾癬性関節炎の発症や悪化に関係している可能性があり、体重を減らすことで乾癬性関節炎の治療に良い影響があるとされています3)。
実際に、体重を5%以上減らした患者さんはそうでない患者さんに比べて、乾癬性関節炎の治療結果が良かったという報告もあります4)。
1) 日本皮膚科学会ガイドライン:乾癬性関節炎診療ガイドライン2019,日皮会誌,129,13:p2683(2019)
2) 山本俊幸,他:日皮会誌,128,13:2835-2841(2018)
3) 日本皮膚科学会ガイドライン:乾癬性関節炎診療ガイドライン2019,日皮会誌,129,13:p2727-2728 (2019)
4) Di Minno MN, et al.: Ann Rheum Dis, 73, 6:1157-1162 (2014)
生物学的製剤などの免疫抑制作用があるお薬をご使用中の方へ
生物学的製剤などの免疫抑制作用があるお薬を使用していると、正常な免疫反応に影響を与えることがあります。それにより、風邪などの感染症にかかりやすくなりますので、手洗いやうがいなどの基本的な感染対策をしっかり行ってください。
また、感染症の予防には予防接種も有効ですが、生ワクチン※を接種する場合には注意が必要です。予防接種を受ける際は、主治医にご相談ください。
※生ワクチン : BCG、麻疹 (はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹、経鼻インフルエンザなど